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執筆者の写真田中亜弥

グルタミンとは

更新日:2020年5月14日

 今回は、私も毎日摂取している「グルタミン」について調べてみました。


1.グルタミンとは

 グルタミンは、私たちの体に一番多く存在するアミノ酸で、体内の遊離アミノ酸(たんぱく質と結合せず、単体で体内に存在しているアミノ酸)の約6割を占めています。同じくアミノ酸のグルタミン酸と、アンモニアが結合して、体内で合成されるので、非必須アミノ酸です。普段は筋肉や血液中に大量にストックされています。しかし、風邪を引いた時、疲れが溜まっている時、運動をした時など、体にストレスがかかっている時は大量に消費されるため、食事からも積極的に摂取したいアミノ酸です。


2.グルタミンの働き

(1)筋肉の分解の抑制

 上記で述べたように、体にストレスがかかった時にグルタミンが大量に消費されます。消費されたグルタミンが適切に補給されないと、体にストックしていたグルタミンが足りなくなり、筋肉を分解してグルタミンを供給するようになります。これが激しいトレーニング時や、体調が悪くて寝たきりの状態の時に筋肉が失われる理由のひとつです。つまり、必要なグルタミンがしっかり補給されていれば、筋肉の分解は抑制されます。

(2)消化管機能のサポート

 グルタミンは、腸管の最も重要なエネルギー源です。腸管には絨毛という突起があり、食事から摂った栄養素はここから吸収され、肝臓を通して全身へと送り込まれます。絨毛は普段、ふかふかの絨毯のような状態です。しかし、絶食などにより、腸への刺激がなくなり、十分なグルタミンが供給されなくなると、薄くなり、簡単に細菌やウイルスが侵入したり、潰瘍ができやすくなったりします。グルタミンには、この絨毛を修復する作用があると共に、薄くなることを防ぐ役割があり、常に腸を健康な状態にしておくためにグルタミンが必要です。

(3)免疫の向上

 グルタミンは免疫細胞の重要なエネルギー源となります。また、前述の通り、細菌やウイルスの侵入を阻止してくれる腸管絨毛のエネルギーにもなり、免疫機能が正常に働くにはグルタミンが重要です。また、適度な運動は免疫力を活性化させますが、長時間の運動では免疫力を下げ、感染症のリスクが高まると言われています。そのため、運動前後にグルタミンを摂取することで免疫力を回復させることができます。 (4)その他

 ・たんぱく合成を促進する

 ・筋グリコーゲンの合成を促進する

 ・筋肉痛を軽減し、筋肉の回復を促進する

 ・成長ホルモンの分泌を促進する

 ・胃の粘膜を保護する

 ・傷の修復を早める

 などの作用があると言われています。


3.グルタミンの摂取方法

 グルタミンは肉、魚、卵、大豆などに含まれていますが、水や熱に弱く、お酢などの酸性食品との組み合わせにより、グルタミンの成分が壊れてしまいます。生で食べられるメニューは限られますし、トレーニング時に摂取したい場合は衛生面においても難しいです。そのため、サプリメントで摂取することをオススメします。


4.グルタミンの摂取量と摂取タイミング

(1)摂取量

 グルタミンは、1日にトータル20~30g程度摂取することで、十分な効果が期待できると考えられます。食事から摂取するグルタミンも考慮すると、サプリメントとしてのグルタミンは10g~15g程度で十分だとも言われています。体調に応じて、量を増やしたり、調整することをオススメします。

(2)摂取タイミング

運動前後

 長時間の運動によって血液中のグルタミン濃度は下がり、そのままにしておくと体は筋肉を分解してグルタミン濃度を保とうとします。せっかくのトレーニングが逆に筋肉を減らしてしまうことにならないよう、しっかりと摂取することをおすすめします。

就寝前

 寝ている間は成長ホルモンが分泌され、代謝が促進します。グルタミンは腸管や免疫細胞のエネルギーになるので、疲れが溜まっている、風邪を引いている時などはより効果があります

起床時

 寝ている間に栄養が枯渇している状態なので、起床時は吸収率も上がり、筋分解の抑制や消化機能の向上にも効果があります。


 免疫力の低下が心配される昨今だからこそ、グルタミンを上手に摂取したいですね。私も起床時・就寝前に欠かさず摂取しています!

次回は、「クレアチン」についてです。お楽しみに!


<参考文献>

グルタミンの効果(フィジーク・オンライン)

グルタミンの効果的な摂取方法』(フィジーク・オンライン)

グルタミンで運動による筋肉の分解を防ぐ』(【森永製菓】プロテイン公式サイト)


※なお、このブログは、タイトルに関する基本情報を出来るだけ端的に分かりやすく伝えるために、文献から多く引用している箇所もありますが、著作権を侵害する意図はありません。私自身の知識をまとめる作業の一環でもあり、至らない所もあると思いますので、より詳しく知りたい方は上記の文献をぜひご覧ください。

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