1.炭水化物とは
炭水化物とは、人間にとってもっとも重要なエネルギー源になる、三大栄養素の一つです。
炭水化物は、大きく分けると、食物として体内に消化吸収され、エネルギー源となる「糖質」と、消化できない「食物繊維」の二つで構成されています。
2.炭水化物の働き
炭水化物には、主に2つの働きがあります。
①脳にグルコース(ブドウ糖)を供給する
②筋肉にエネルギーを送る
糖質は、体内で二酸化炭素と水に分解され、1gあたり約4kcalのエネルギーを発生します。 糖質の大部分は、グルコース(ブドウ糖)として体にとり込まれます。特に、多くのエネルギーが必要な脳にとって、脂質はエネルギー源にならず、このグルコースが大切なエネルギー源です。
3.炭水化物を含む食材
ご飯、パン、麺類、いも類、果物、砂糖、はちみつなどに多く含まれます。
4.糖質の種類
糖質は、(1)単糖類・(2)少糖類・(3)多糖類に分類されます。
(1)単糖類
単糖類は一般に甘みがあり、水によく溶けます。人がもっとも多く摂取する単糖類が「グルコース(ブドウ糖)」です。果物、米、パン、麺類に多く含まれます。
その他に、果物やハチミツに含まれる「フルクトース(果糖)」や、牛乳などに含まれる「ガラクトース」などがあります。
(2)少糖類
麦芽やハチミツに含まれるマルトース(麦芽糖)、砂糖に主成分であるスクロース(ショ糖)、母乳に含まれるラクトース(乳糖)が栄養として重要な少糖類です。
(3)多糖類
多糖類は、主にデンプンと食物繊維から成ります。穀類、いも類、豆類などに多く含まれる「デンプン」、飴などに含まれる、消化されやすい「デキストリン」、レバーや貝類に含まれる「グリコーゲン」があります。筋肉に蓄えられたグリコーゲンは、筋肉を動かす際のエネルギー源として使われます。
5.食物繊維の種類
食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」に分けられます。
・水溶性食物繊維…腸内の乳酸菌やビフィズス菌を増やし、腸内環境を整えます。また、血糖値の急上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を抑制する働きがあります。
(例)熟した果実、大麦・オーツ、こんにゃく、寒天、海藻類
・不溶性食物繊維…水を吸収し、便をやわらかく、また量を増やします。その結果、排便が促され、大腸がん予防にも有効的です。
また、どちらの食物繊維も、胃の中で膨らみ、食物のかさを増すので、満腹感が得られ、食べ過ぎを予防できます。
6.炭水化物の過不足による弊害
(1)過剰摂取の場合
炭水化物を摂りすぎて、余った糖質は、脂肪に変換されて体脂肪として溜め込まれます。
またGI値(炭水化物を食べた時の血糖値の上がりやすさを数値化したもの)の高い食品を空腹時にとると、急激に血液中のグルコース(血糖)が増加し、この状態が続くと糖尿病になるリスクがあります。
(2)不足した場合
逆に糖質が不足すると、エネルギー源として、筋肉を分解してしまうので、筋肉量が減少してしまい、基礎代謝を低下させる原因にもなります。
また、糖質が不足して脳にエネルギーが足りなくなると、集中力の低下など脳の働きを妨げてしまう可能性も考えられます。
昨今、炭水化物を制限するダイエットなどが流行っていますが、人間にとって生きる上で重要な栄養素なので、適量で摂取することが大切です。
次回は、筋肉にもっとも重要な「タンパク質」についてです。お楽しみに!
〔参考文献〕
『改訂新版いちばん詳しくて、わかりやすい!栄養の教科書』中島洋子監修(新星出版社)
『パーソナルフィットネストレーナー 日本語版』東山暦監修(NESTA JAPAN事務局)
※なお、このブログは、タイトルに関する基本情報を出来るだけ端的に分かりやすく伝えるために、文献から多く引用している箇所もありますが、著作権を侵害する意図はありません。私自身の知識をまとめる作業の一環でもあり、至らない所もあると思いますので、より詳しく知りたい方は上記の文献をぜひご覧ください。
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