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執筆者の写真田中亜弥

生理との向き合い方

1.はじめに

 女性にとって生理は切っても切り離せないものですが、色んな不調を招くこともあるので悩みの種にもなっていると思います。ボディメイクにおいて、生理前の食欲増加やむくみの対処方法や、生理中の筋トレは気になるポイントです。また、ストレスとなる生理の諸症状を緩和するための食事も意識したいところです。今回は、ボディメイクにおける生理との上手な向き合い方についてお話ししていきたいと思います。


2.生理前の食欲増加とむくみ

(1)生理前の食欲増加の原因

 普段お客様から生理前の食欲の増加を抑えられないというご相談をよくいただきます。生理前は、女性ホルモンの影響で血糖値が乱高下しやすいので、甘いものが無性に食べたくなります。また、妊娠に備えて栄養を体に蓄えようとするので食欲が増します。

 これらは生理現象なので、素直に受け入れることが大切です。

(2)生理前の食欲増加の対処方法

 血糖値が急上昇する炭水化物(白米、白砂糖など)を摂りすぎると、血糖値が乱高下し、食後すぐお腹が空いてしまうので、更にドカ食いに繋がります。逆に、炭水化物を制限しずぎるのも反動で食べ過ぎに繋がります。

 したがって、対処方法として食物繊維の多く、色の濃い炭水化物(玄米、さつまいもなど)を摂ることをオススメします。

 また、食欲の増加を感じた時に、生理前であることを把握することもボディメイクにおいて重要です。そのためには自分の生理周期をちゃんと把握しましょう。そうすれば、「最近やたらお腹が空く」と思った時に、生理前だと分かれば「生理現象だから仕方がない」と受け入れつつ、食べ過ぎを防止することができます。

(3)生理前のむくみ

 排卵後から生理前までの時期は、女性ホルモンである「プロゲステロン」の分泌量が増えます。このホルモンには妊娠に備えた身体をつくる役割があり、体内に栄養や水分がため込まれるので、むくみによって体重が増加しやすくなります( ※1)。

 ダイエット中なのに一時的に体重が増えた場合に、生理前であることを把握しておけば、ホルモンによる体重増加に一喜一憂することも減ります。もうすぐ生理前だから、体重が増えるかもしれないと塩分量を調整したり、心の準備もしておくことも、ストレスが大敵なボディメイクやダイエットには大切なことです。


3.生理と筋トレ

 生理中の筋トレは、体調次第でやっても構いません。ただ、生理の症状は、人によってかなり差があるので、私は、パーソナルに来るお客様にもとにかく無理のないメニューをご提案しています。

 排卵後から生理が始めるまでの期間は、体が水分を溜め込みやすく、お腹に力が入りにくくなります。その結果、いつも扱える重量がかなり重く感じることがあります。なので、そうゆう時は無理せず、負荷を下げた方がいいです。

 私は、生理痛があまり酷くないので(たまに鎮痛剤を少し飲む程度)、生理中のトレーニングは、やりながら体調を見て調整します。どちらかというと、イライラや憂鬱さだったり、メンタルに影響することが多いので、適度に動いた方が気持ちも体も楽になることが多いです。ただ、私も生理中はお腹に力も入りにくくなるので、「今日は生理だから」と自分に言い聞かせ、無理しないように心がけています。

 生理不順で生理がまともに来ていなかった40代の女性のお客様は、筋トレをするようになったことで、生理不順が治りました。

 筋トレをすることで、血流が良くなり、生理痛も緩和される可能性は大いにあると思います。筋トレなどの運動習慣が身につくと、意識的に食事や睡眠なども気をつけるようになり、生活習慣が変わってきます。規則正しい生活が生理痛緩和にも大きく作用するので、筋トレを上手に取り入れていくことをオススメします。


4.生理と食事

 生理と上手に向き合うには、規則正しい生活やバランスの良い食事をすることが一番大切だと思います。しかし、それが完璧にできる人の方が少ないと思います。なので、それぞれの体質に合わせて、食事内容を少し意識してみることが重要です。

 例えば、月経前症候群(PMS)で身体的な症状(むくみや頭痛等)がひどい人は、塩分を控えたり、また塩分を排泄する効果のあるカリウムが豊富な食材をとるといいと言われています。

 また、イライラなどの精神的な症状が強く出る方は、ビタミンB6やカルシウム、マグネシウムを摂取するといいです(※2)。これらの栄養素には精神を安定させてくれる作用があると言われています。また、マグネシウムは、筋弛緩や血流を改善する働きがあるため、生理痛の緩和にも効果があると言われています。

【上記の栄養素を多く含む食材】

<カリウム>生野菜、バナナなどの果物、大豆食品、海藻類、きのこ類(※3)

<ビタミンB6>かつお、まぐろなどの魚類、レバー、肉類(※2)

<カルシウム>牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、大豆食品、野菜類や海藻(※4)

<マグネシウム>アーモンドをはじめとするナッツ類、魚類、野菜類、豆類、海藻(※4)

 生理痛が強く出る方は、特に体を冷やさないことも大切なので、生姜やカフェインレスのハーブティーなどがオススメです。一方、カフェインは血管を収縮する作用があるので、血の巡りが悪くなり、生理痛を悪化させることもあります。そのため、カフェインを多く含むコーヒーやエナジードリンクなどの摂取量には注意が必要です。


5.おわりに

 生理による諸症状は、生理前に強く出る人もいれば、生理中に強く出る人もいます。また、周期によって症状が違う人もいます。ボディメイクも生理による諸症状もストレスに大きく影響されます。ストレスを溜めないことは難しいですが、毎月の生理に振り回されないためには、自分の体とちゃんと向き合うことが大切です。毎月のことだから、痛みや辛さが当たり前になってしまい、放っておいている女性も多く見受けられます。痛みも辛さも緩和できるので、自分の生理と向き合うきっかけにしてもらえれば幸いです。


<参考文献>

・「カリウムの働きと1日の摂取量」(健康長寿ネット)※3


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