皆さんは筋トレをすると、骨粗鬆症の予防にもなると聞いたことがありますか?なぜ、筋トレ(ウエイトトレーニング)をすると、骨も丈夫になるのか、今回は、骨と筋トレの関係性をお話ししていきたいと思います。
1.骨の役割
皆さんは身体を動かす運動器といえば、筋肉を思い浮かべると思いますが、骨や関節も同様に大事な運動器です。その骨や関節は、筋肉が収縮することにより、動かされています。
ちなみに、人間の骨格は、206の骨から成り立っています。
<骨の役割>(※1)
・支持:全身の骨格(骨の集合体)を形成し、人体を形作るとともに、体重を支えている。
・運動:筋肉、腱からの張力を受け、テコとして作用することにより、体の動きを作り出す。
・保護:脳や内臓などを外力から保護する。
・貯蔵:カルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラルを貯蔵している。
・造血:骨髄で血液成分を作り出す。
2.骨とウエイトトレーニング
骨は、骨端軟骨の骨化により長くなり、骨膜の骨化により太くなります。ちなみに、骨端軟骨とは骨の先端にある軟骨のことで、骨膜は、骨を覆う結合組織の膜のことです。骨は、縦の力に対して最も強く、また、そのような力(メカニカルストレス)に最もよく反応して成長が促されます。(※1)成長期にジャンプすると、背が伸びると言われているのも、この骨の特性から来ています。
3.骨を丈夫にする栄養素
骨を丈夫にするには栄養も重要です。骨を強くする栄養素といえば、カルシウムを思い浮かべる方が多いと思いますが、カルシウムだけでは足りません。そこで、骨を作るために必要な栄養素をご紹介したいと思います。
・カルシウム:骨の主成分で、骨や歯の材料となります。カルシウムは、体で作り出すことができないため、必ず食事から摂る必要があります。
・ビタミンD:小腸からカルシウムを吸収し、骨にカルシウムを取り込む働きをします。また、骨をつくる骨芽細胞の働きを促進し、骨の形成を助ける栄養素です。(※2,3)
・ビタミンK:ビタミンKは骨にカルシウムを沈着させるために必要なオステオカルシン(たんぱく質の一種)を活性化したり、カルシウムが尿中に排泄されるのを抑え、骨の破壊を防ぎます。(※3)
・たんぱく質:骨に存在するコラーゲンはたんぱく質の一種で、カルシウムを骨に吸着させる働きで強い骨をつくります。(※3)
・ビタミンC:コラーゲンの合成に不可欠のため、摂取したい栄養素です。(※2)
適度なトレーニングと適切な栄養摂取で、身体を強くし、健康に過ごせることが今こそ大切だと思うので、老若男女を問わず、ウエイトトレーニングを取り入れていくことをオススメします!
<参考文献>
・『パーソナルフィットネストレーナー 日本語版』東山暦監修(NESTA JAPAN事務局)※1
・『ビジュアル版 筋肉と関節のしくみがわかる事典』竹井仁監修(株式会社西東社)※2
・『骨がよろこぶ栄養素は?』(医療法人錦秀会栄養部)※3
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